著者について
1966年東京都出身。
24歳までプロスキーヤーとして活動後、26歳でアメリカ・ブリッジウォーター州立大学に留学し、アスレチックトレーニングを学ぶ。
同大学卒業後、サンノゼ州立大学大学院でスポーツ医学とスポーツマネジメントの修士号を取得。
2000年サンタクララ大学にてアスレチックトレーナーとしてのキャリアをスタートさせ、2002年秋にスタンフォード大学のアスレチックトレーナーに就任。
プロローグ:「疲れない体」の作り方
本書は、スポーツ医学と人体力学、脳科学、栄養学に裏打ちされた、スタンフォード大学スポーツ医局発の「疲労予防」と「回復」のメソッド集です。
著者・山田知生氏が、アスリートへの実践の集大成をまとめ、誰でも日常に取り入れられる形でわかりやすく紹介してくれます。
0章:「疲労発生」のメカニズム
以前は「疲れ=乳酸のせい」と思われていましたが、最新研究ではそうではありません。
本当の疲労の原因は、脳と体の神経伝達の不調。特に姿勢が崩れると、体のあちこちに余計な負荷がかかり、パフォーマンスが落ちてしまいます。
たとえば、こんなサインは要注意です。
- 脈がいつもより早い/遅い
- 睡眠が浅い
- 腰や肩の痛み
- 浅い胸呼吸になっている
これらは、すでに「疲れのスイッチ」が入っている状態です。
1章:「IAPメソッド」— 体内圧力で疲労をブロック
「IAP呼吸法」は、一般的な腹式呼吸とは違い、お腹を膨らませた状態のまま安定的に保ちつつ呼吸します。
これにより体幹を安定化させ、姿勢を整え、神経伝達効率を高め、疲れにくい体をつくります
要は、お腹を「へこませずに」固いまま、息を吐く。ということなのですが、これが難しい!
意識していなければ絶対に出来ない動きなので、まずは1日3分、寝る前の時間にでもまず練習してみます。
習得できれば自律神経に作用し、リラックスや眠りの質も向上させるため、回復力そのものが上がります。
2章:疲れを持ち越さない「究極のリカバリー法」
疲労回復の基本は、寝て休むだけではありません。
軽い有酸素運動(ゆっくり走る、ウォーキング、軽く泳ぐなど)を20〜30分行うと、血流が良くなり疲労物質がスムーズに排出されます。
また、部位別のケアも有効です。
- 肩こり → 肩甲骨周りをほぐすストレッチ
- 眼精疲労 → 目の周りの筋膜リリース
- 全身のだるさ → 温冷交互浴
「週末の寝だめ」に意味はありません。
姿勢が悪いせいで引き起こす、「体の変なクセ」を、毎日の生活の中で意識しながら取り除くことが大事です。
そして、「疲れたらすぐ対処」が、翌日のパフォーマンスを守ります。
3章:抗疲労体質になる「一流の食事術」
「朝食抜き」は血糖値の乱高下(スパイク)を招き、体温の上がりにくさや自律神経の乱れにつながるため厳禁。
朝食はなるべく決まった時間に取り、腹八分目を心がけます。
間食はナッツやドライフルーツなどを取り入れ、血糖値の安定とビタミン・タンパク質補給を図ります。
昼食・夕食も、タンパク質と野菜中心、茶色い炭水化物(玄米など)を選ぶことで内臓疲労防止や血糖値の安定が期待されます。
全て実践するのは難しいですが、食事を楽しみながら、体質を変えていく術をつけたいものです。

「完ぺきにやろうとしない」
とあります!
4章:スタンフォード式「ハードワーク」メソッド
日常動作の中に「疲れない習慣」を組み込みます。
立ち方、座り方、歩き方について具体例が記載してあり、それだけでなく、「電車内でのつり革の持ち方」や「物の持ち上げ方」も教えてくれます。
水分補給のタイミングも含め、小さな積み重ねが疲労を溜めない鍵となります。
さらには「疲れないマインドセット(考え方)」にも解説があります。
「できない」ではなく、「まだできないが、今の自分にできることはなにか?」と考えを改めること。
「超・短期目標」と「長期目標」を合わせもち、未来を描く思考法について、深く共感しました!
エピローグ:“再起動”で「最強の自分」へ
根性論や無理を重ねるスタイルではなく、体系的な方法で「疲れにくい体」を構築する本書。
その内容は、呼吸・姿勢・回復・食事・動作・マインド…と全方位から疲労にアプローチします。
今感じている疲れを「解消」し、明日の疲れを「予防」する。
少しの意識で、自分のパフォーマンスを根本から変えられる実践的ガイドです。



疲れない体をつくり出すことで、
「自分レベル100%」の
パフォーマンスを発揮したいですね!
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