著者について
1955年 大阪府出身。
スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)所長。医師、医学博士。
1987年 当時在籍していた大阪医科大学大学院からスタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学。
2005年 スタンフォード睡眠生体リズム研究所の所長に就任。
2007年 スタンフォード大学医学部精神科教授。
2016年4月 一般社団法人良質睡眠研究機構を設立し、代表理事に就任。
「睡眠の謎を解き明かして社会に還元する」を命題としており、「エアウィーブ」の開発研究にも携わった。
「よく寝る」だけでパフォーマンスは上がらない
冒頭で著者が否定するのは、「たくさん寝れば健康になれる」という誤解です。
重要なのは“長さ”よりも“質”。
特に忙しい現代人にとって、毎日8時間睡眠は理想ですが、現実的にはなかなか・・。
大切なのは「短くても深い睡眠」をどう取るか。そして、「睡眠負債」をどう貯めないか。
一日の集中力や判断力を最大化するには、戦略的な睡眠設計が必要となってきます。
特に重要となる「寝始め90分(=黄金の90分)」について、科学的根拠を用いて教えてくれます。
なぜ人は「人生の3分の1」も眠るのか
まず、「なぜ私たちは寝るのか?」という基本的な問いが語られます。
睡眠に課せられた5つのミッションが書かれていますが、キーワードは「脳と記憶のメンテナンス」。
睡眠中に脳は情報を整理し、必要な記憶を定着させ、不要な情報を削除します。
まさに、睡眠は“脳の整理整頓タイム”。
ビジネスパーソンにとっては、日中の情報処理力やクリエイティブな発想力に直結する重要な時間です。
睡眠を削ることは、記憶力や判断力を自ら損なう行為に他なりません。
夜に秘められた「黄金の90分」の法則
本書最大のキーポイントがここにあります。
眠り始めの最初の90分は、ノンレム睡眠のなかでも最も深い“徐波睡眠”が出現する時間。
このときに成長ホルモンが大量に分泌され、心身の修復が急速に進むのです。
この「黄金の90分」をいかに深く、良質に眠れるかが、その夜の睡眠全体の質を決定します。
「体温」と「脳」に眠りスイッチがあるのですが、黄金の90分を制すれば、短時間睡眠でも最大限の効果が得られます。
スタンフォード式最高の睡眠法
前段で述べた「体温」と「脳」の眠りスイッチ発動方法が満載の、科学に基づいた“具体的な睡眠テクニック”が紹介されます。
- 深部体温のコントロール
→ 入浴・手足の放熱で眠気を引き出す - 光のコントロール
→ 寝る前にブルーライトを避ける/朝日で体内時計リセット - 寝る前のルーティン
→ 同じ時間に、同じ手順で「眠る儀式」を持つ
これらを日々の習慣に組み込むことで、睡眠の質は確実に向上します。
睡眠に“成功体験”を積む感覚を大事にしたいところです。
超究極!睡眠をもたらすスタンフォード式覚醒戦略
良質な睡眠には「良質な覚醒」が不可欠です。
つまり、「どう目覚めるか」も睡眠の一部。
著者が提唱する覚醒戦略とは:
- 朝の光でセロトニンを活性化
- 起床後に軽い運動で交感神経を刺激
- 食事で体内リズムを安定化
この章では、「寝る準備」は朝から始まっている、という視点が示されます。
一日は朝・昼・夜とつながっているため、最高の睡眠を得るためには、夜以外の行動を見直すことも重要です。
「眠気」を制する者が人生を制す
最終章では、眠気そのものとどう付き合うかが語られます。
午後2時頃になると私も睡魔に襲われることが多く、顔を洗ったり席を立ったりと忙しいです。
日中に眠気を感じたら、無理に我慢するより『パワーナップ(15~20分の仮眠)』が有効。
(これについては会社でも推奨されているため、話題になることも多く、新規ビジネスプランの柱にしたいと検討を重ねています!)
良い睡眠を習慣にしてしまうことは、夢を叶える最もシンプルな方法。
ぐっすりと「黄金の90分」を眠れれば、「果報は寝て待て」の言葉どおりになることで、本章を締めくくられています。
まとめ
『スタンフォード式 最高の睡眠』は、単なる快眠本ではありません。
すべての人が、最短で最大の成果を出すための「脳と体のメンテナンス術」です。
今日から黄金の90分を味方につけて、仕事、くらし、人生そのものをアップグレードしていこう!と誓いました。

「眠り」を見直すことは、
「人生」を変えること。ですね!
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