- 著者について
ハンス・ロスリング(1948~2017)
スウェーデン・ウプサラ市出身。医師、公衆衛生学者。
スウェーデン・ストックホルムに拠点をおくギャップマインダー財団のディレクターをつとめた。
世界的ベストセラーとなっている、本書の著者。
オーラ・ロスリング
共著。ハンス・ロスリング氏の息子
アンナ・ロスリング・ロンランド
共著。オーラ・ロスリング氏の妻 - 世界に関する13問のクイズ
1問しか正解できなかったクイズですが、これを解くことで自分の思い込みが明白になります。
シンプルに世界を見れていないことに、愕然としました。
特に正解率の低い問題を下記に抜粋しておきます。
当記事の最下段に回答を記載しますので、解いてみてください!
質問3.世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
A.約2倍になった
B.あまり変わっていない
C.半分になった
質問9.世界中の1歳児の中で、何らかの病気に対して予防接種を受けている子どもの割合は?
A.20%
B.50%
C.80%
(上記質問の日本での正解率は、10%、6%。両方正解したら、相当すごいです。) - 本書の構成
冒頭の13問クイズにはじまり、思い込みを引き起こす10の本能について詳細事例とデータを基に、わかりやすく解説してくれます。
「寿命と所得のチャート(国別)」や、「4つのレベルごとの暮らし」の写真など、見た目にも理解しやすい工夫がたくさんあります。
シリアスな内容の章を読んでいて深刻な気持ちになっていると、「棒かヘビかわからないものを見かけたら、念のため避けておくのに越したことはない。」などの面白い言いまわしで、読み手の気持ちも和らげてくれます。
最終章ではファクトフルネスの実践方法や、著者自身が人生を捧げて取り組んできた想いが伝わってきて感動させられます。
「おわりに」で、著者の執筆エピソードが書かれているのですが、これを読むと泣けます・・。 - ファクトフルネスの大まかなルール
以下、10の本能を乗り越えるためのルールです。
(本書に具体例が記載されていますが、備忘メモのために記載しました。)
1.分断本能を抑えるには
(例)極端な金持ち国と貧しい国を比較し、ドラマチックすぎる分断を思い込みで作り出す
⇒ 大半の人がどこにいるかを探そう
2.ネガティブ本能を抑えるには
(例)世界はどんどん悪くなっている。と、データを見て考えるのではなく、何となく感じる
⇒ 悪いニュースのほうが広まりやすいと覚えておこう
3.直線本能を抑えるには
(例)データをグラフ化し、カーブやコブの形から真実を読み取る
⇒ 直線もいつかは曲がることを知ろう
4.恐怖本能を抑えるには
(例)事故や災害などの緊急時に判断力を失い、危険でないことを恐ろしいと考える
⇒ リスクも計算しよう
5.過大視本能を抑えるには
(例)目の前の数字が一番重要だと思い込み、本質的な問題を見失う
⇒ 数字を比較しよう
6.パターン化本能を抑えるには
(例)一つの例が全てに当てはまっていると思い込み、不要なモノを商品化する
⇒ 分類を疑おう
7.宿命本能を抑えるには
(例)すべてはあらかじめ決まっていると思い込み、文化の違いに気づけない
⇒ ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう
8.単純化本能を抑えるには
(例)世界はひとつの切り口で理解できると思い込み、ケースバイケースを見失う
⇒ ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
9.犯人捜し本能を抑えるには
(例)誰かを責めれば物事は解決すると思い込み、真の原因を特定できなくなる
⇒ 誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
10.焦り本能を抑えるには
(例)いますぐ手を打たないと大変なことになると思い込み、判断を誤る
小さな一歩を重ねよう - ファクトフルネスを習慣にして、今後自分が取り組むこと
・信頼できるデータや数値なのか、読み取る力をつけることを意識する
・信頼できるデータや数値を集めたうえで、数字「だけ」が全てでないと意識する
・社会と文化は変わるもの。と理解し、「ビジョンを持つ」ことを意識する
まとめ(今回の本から教わったこと)
事実を知ることが、本能が引き起こすとんでもない勘違いを防ぐ力になる
事実に基づかない「真実」を鵜呑みにしないように、自分は自分を信頼できるか?問いかける

質問3の答 C
質問9の答 C
いかがでしたか?
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